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ウッドフェンスDIY

突然毛色の違う記事ですが、自宅の庭にウッドフェンスを DIY したのでその記録です。

##TL;DR

  • 死ぬほど大変だったので真似してはいけない(でも楽しかった)。

  • 土質、地域、風などの環境によって設計を変える必要があるので真似してはいけない。

  • 真似して何か不利益が発生しても一切の責任は負わない。

  • 好みのデザインになって今のところは最高。

完成写真

##なぜ作ったか

昨年マイホームを取得した時、あまりの金額にビビって外構費をケチった結果、お隣の廊下からリビングが丸見え状態になっていました。

いくつかの外構業者さんに見積もりをお願いしたのですが

  • A社(地元で最安を謳う会社): 40万程度

  • B社(全国展開してるおしゃれで良い感じ会社): 50万円~

という絶望的な金額が返ってきたため自分でやることに。 (それだけならまだしも、デザインが好みではない....)

##要件

長さ10m, 高さ1.8m のウッドフェンスを作成。 下記 Before ですが、右側が我が家でウッドデッキあたりがリビングです。 左に見える窓がお隣の廊下の窓なので、これが見えないようにするために左側の辺 約10m にフェンスを設置します。

Before

##事前調査

インターネッツには頼りになるお友達がたくさんいるので、ググりまくると

  • 木材、塗料: 5万

  • 基礎: 5万

  • その他工具・消耗品等: 5万

ぐらいでいけそうなので、実質半額ですね。(これを取らぬ狸の皮算用と呼びます)

作り方については、下記の動画とかを100回ぐらい見ると良いのではないでしょうか。


##参考動画から変えたところ

###木材

動画ではホワイトウッドを使っていましたが、身近で手に入らず耐久性的にも不安があったため、柱はヒノキ、板はスギを利用しました。
ヒノキはスギと比較して比重が高く、耐久性が高いとのことだったので柱材に選択しました。
板に関しては良いサイズのヒノキ材に出会えず、交換も容易なためスギにしています。(ヒノキ高いし...)
耐久性の話をするのであれば絶対にハードウッドの方が良いのですが、素人が打った基礎にハードウッドの重たい柵を付けることに抵抗があったのと、予算の問題で我が家では断念しました。 また、ハードウッドであれば後述する塗料の費用がかからないとするネット上の記事もありますが、ハードウッドでも塗料は必要(ただし退色を防ぐ目的が強いようなので安い物でも良さそう)なので、メンテナンスコストはかかります。

###木材加工

動画では綺麗なホワイトウッドを使っていたのでほとんど加工されていませんでしたが、私が購入したヒノキ柱とスギ貫板は表面が毛羽立っているので調整が必要でした。
ヒノキの方はサンダーで軽く面取。スギ貫板はトリマーで大きめに面取したあと、表面をサンダー (#120 を使用)でつるつるにしました。

面取りし、サンダーかけた後のスギ貫板

###塗料

キシラデコールを使いました。めっちゃ高かったのでちゃんとメンテする自信のある方はもうちょい安いのを選んでも良いかもしれません。
参考までにキシラデコールは5年に1回の塗り替え、それ以外は3年が目安と広告で謳われています。
また、スギなどの針葉樹は色むらが出やすいらしいので、カラレスを塗布したあとカスタニを2度塗り(計3度塗り)しました。

カスタニは3度塗りするとかなり赤いので、淡い雰囲気が好きな人は別の色良いかもしれません。
私の場合はオリーブと悩みましたが、外壁が白なので明るい色を選びました。

###基礎

動画では外寸 200x200x600 の基礎ブロックを使用していましたが、入手できなかったため 200x200x450 を取り寄せました。
その代わり、基礎をより深く掘ってコンクリで固め、頭がほとんど出ないよう深く埋めています。(動画では10cm近く出しているけど、我が家では5cm 未満)

###柱脚金物

動画ではそのまま使っていましたが、私はプライマーを付けて黒く防錆塗装しました。 この方がデザイン的に好みというのもあります。 また、固定用ボルトを取り付けるために穴を開けた後、一度金物を取り外して念入りに防腐剤を浸透させました。 なお、コンクリ中に木の柱をそのまま埋めると絶対に腐るので、止めた方が良いです。

##買った物

塗料が高かった...。合計で4万円ほどかかったと思います。逆に木材は安くすみ、3万でお釣りが出るほどでした。
工具も結構高かったけど、以降の DIY に生かせるし、どうせいつかは買っていたので実質無料ですね。

計: 16 万円

###持っていた物

  • インパクトドライバー

  • 作業用ソーホース

  • のこぎりなどの基本的な工具

##気をつけるべきこと

  • とにかく基礎。諦めない強い心で少し深めに掘り、砂利を敷き、転圧し、完璧に水平を取ること。ここできっちり水平を取れると後の作業がとても楽。

  • 腰への負担がヤバいので、不安がある人は止めた方が良い。

  • 基礎の転圧をする時に微妙に水平がズレるので、水平を確認しながら転圧する。転圧は動画を参考に限界まで叩く。転圧が甘いと台風の後などに基礎がぐらつき、転倒のリスクが高まる。

  • お盆休みを利用して作業したため、熱中症で10回ぐらい死にかけた。日が長いので作業時間を確保しやすく、塗料がすぐ乾き、雨も降らなかったが、代償が大きすぎる。3~5月に作業するのが一番良いかも。

  • 安さやデザインとトレードオフで安全性を大きく犠牲にしていることを自覚する。しかも、継続的なメンテナンスを加味するとコスパは悪い。優秀な既製品はこの世にいくらでもあるので、そちらを選択した方が賢い。

  • 自分でセメントと砂と砂利を配合せず、インスタントセメントやインスタントコンクリートを使った方が良い。

##失敗談

  • 柱を11本立てる予定が、埋蔵物(鉄筋入りの擁壁)のせいで断念し、基礎10本で9メートルの柵になった。

  • 柱を立てるときに失敗し、柱の高さが合わなくなった。

    • 高すぎるのが1本、低すぎるのが1本。

    • 高すぎる方: 基礎ブロックにセメントを詰めるときにケチってコンクリを使用したため、コンクリの砂利の分下がらなかった。

    • 低すぎる方: 基礎ブロックの高さが1つだけ低すぎた。他の柱は低すぎても微調整していたが、体力尽き果てて諦めてしまった。

    • どうせ笠木付けるので長すぎる方はカットすれば良いが、短いとどうにもならないのでそれだけ注意。

  • ヒノキが堅すぎてビスが何本か切れた。

  • 横板に下穴を開けるのが面倒だったのでそのままビス打ちしたらめっちゃ割れた。

    • ビスが切れて埋まると厄介ですし、横板が割れると見た目悪いので面倒でも下穴は空けるのがオススメです。
      そうするとインパクトドライバーのビット変えるの面倒なので2台欲しい気持ちになる。

  • 基礎のために掘った穴から出た庭土の処分がとても難易度高い......。

##まとめ

プログラムだけでなく、とにかく何か作るのが好きなので今回は良い題材を得られて良かったです。楽しかった。
強い心を持つことが何より大事ですが、材料を買ってしまって逃げ道をなくし、強い心を得るというライフハックもありかと思います。
今回の DIY を通して何事も基礎が大事であることを再認識し、プロの職人さんへのリスペクトが強くなりました。

とにかく怪我だけはしないよう、各位 DIY を楽しんでいきましょう。
(繰り返しになりますが、この記事を真似するのは良いアイディアではありませんし、何かが起こっても一切責任を負いません。)

##[追記] 2020-09-09

九州地方で猛威を振るった台風9, 10号ですが、破壊されること無く通過してくれました。
どちらも暴風域圏内を通過し、近場の風力計では最大瞬間風速36mを記録したようです。

2020年の台風9, 10号
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